30代でも動脈硬化リスクは急増する──若年層に潜む血管の危険性


30代の若い世代でも動脈硬化の危険が指摘されています

1月11日

ニュース

当時、人気が絶頂だったMr.Childrenのボーカリスト桜井和寿さんが32歳の時に脳梗塞を発症したニュースが流れ、 国民の多くが驚いたことがありました。

2002年7月、32歳だった桜井和寿さんが小脳梗塞を発症し、約半年間音楽活動を休止しました。発祥の経緯は以下の通りです:

  • 音楽番組「HEY!HEY!HEY!」の収録前に、首の後ろに違和感を覚えた
  • その後、手のしびれ、目の前がキラキラする、しゃべれなくなるなどの症状が出た
  • 字が書けなくなり、手と頭の痛みが激しくなって入院した


7月22日、所属事務所から「小脳梗塞の疑いがある」と発表され、3〜4ヶ月の静養が必要とされました。予定されていたライブツアーを含め、桜井さんは半年間の音楽活動を休止することになりました。幸いにも後遺症は残らず、同年12月21日には音楽活動を再開し、一夜限りのライブも開催しています。桜井さんは後に、脳梗塞の治療のため血栓ができにくくする薬を服用していたことを明かしていますが、歌唱時に喉に内出血が生じるため、最終的に薬の服用をやめたと述べています。


事例と研究結果からの考察

この事例は、30代でも動脈硬化や脳梗塞のリスクがあることを示す一例といえます。動脈硬化が30代から急激に増加することについては、以下の情報が関連しています。

  • 30代の若い世代でも動脈硬化の危険が指摘されています。生活習慣の欧米化などを背景に、動脈硬化は心臓病や脳卒中の前段階のリスク要因となっています。
  • 動脈の内側の壁に脂肪分が沈着する状態(脂肪斑)は20~30代からみられます。30歳時点で心臓病や脳卒中の前段階といえるレベルの動脈硬化が確認される例は珍しくありません。
  • 乱れた食生活を送っている人は、30代という若さでも動脈硬化が進行し始めます。
  • 動脈硬化は突発的に生じるのではなく、血管の劣化は生まれた時点で始まっており、年齢と共に進行していきます。

これらの情報から、30代を超えると動脈硬化のリスクが高まり、血管が硬化しているケースが多いと考えられます。ただし、個人差があり、生活習慣の改善によって血管の状態を改善することも可能です。



Dr.EKO博士

医師・医学博士/産業医・PM&R研究医

整形外科専門医。スタンフォード大学研究医としてPM&R分野を研究後、現在は〈スラトレ®〉を中心に、ウェルネスと自己変容を支援するトレーニングおよびコンサルティングを提供中。上質な暮らしを望む方に向けた「YAEKOFU」では、人生を再設計する深い対話と伴走を行う。

▶︎ 株式会社ヤエコフやえこふクリニック