体のサビ=AGEの正体:骨粗鬆症との深い関係

 

体のサビの正体

9月11日

記事「皆さんの勘違い」では、鉄のサビと関連する商法についてお話ししました。今回は「体のサビ」と呼ばれるものの正体、特にAGE(終末糖化産物)と骨粗鬆症の関係について解説します。

「体のサビ」とは何か?

医療の現場や研究者の間では、「体の中のサビのようなもの」という表現がよく使われます。これは、体内で起こる酸化や糖化反応によって生じる有害物質を分かりやすく説明するためです。その代表的なものが、AGE(終末糖化産物)です。

AGE(終末糖化産物)とは

AGEは、体内のタンパク質と糖が結合して生成される物質です。これが過剰に蓄積すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

AGEと骨粗鬆症の関係

AGEは骨粗鬆症の発症に重要な役割を果たします。以下に、その関係を詳しく説明します。

1. コラーゲンの劣化

AGEはコラーゲンを劣化させ、骨を脆くします。

2. 骨代謝バランスの崩壊

AGEは骨を作る細胞(骨芽細胞)の機能を阻害し、骨を壊す細胞(破骨細胞)の活性を促進します。

3. 骨の物理的強度の低下

AGEの蓄積は骨組織の物理的な強度を低下させます。

4. 高血糖との関連

持続的な高血糖状態は、AGEの形成と蓄積を促進します。

AGE蓄積を防ぐには

1. バランスの良い食事を心がける

2. 適度な運動を行う

3. 十分な睡眠をとる

4. ストレス管理を行う

まとめ

「体のサビ」と呼ばれるAGEは、骨粗鬆症をはじめとする様々な健康問題の原因となります。日々の生活習慣を見直し、AGEの蓄積を防ぐことが健康維持の鍵となります。防ぐための一般論は、上記で挙げたように、様々な情報サイトに掲載されています。しかし、実際に「蓄積を防ぐ」を言い切るには、研究が必要です。もちろん、当院では引き続き、最善な方法をリサーチし続けます。

消費者としての目線:AGE対策製品について

AGEs(終末糖化産物)を直接「取り除く」と謳った商品は、科学的根拠が不十分なため一般的ではありませんが、万が一「取り除く水」商品が市場に出たら、私も試してみたくなるかもしれません。しかし、購入する前に、その効果やメカニズムの解明について100個ほど質問したくなるでしょう。製品の科学的根拠がどのように説明されるかは、消費者にとって重要なポイントです。。

「皆さんの勘違い」記事は、こちらからご参照いただけます。

Dr.EKO博士

医師・医学博士/産業医・PM&R研究医

整形外科専門医。スタンフォード大学研究医としてPM&R分野を研究後、現在は〈スラトレ®〉を中心に、ウェルネスと自己変容を支援するトレーニングおよびコンサルティングを提供中。上質な暮らしを望む方に向けた「YAEKOFU」では、人生を再設計する深い対話と伴走を行う。

▶︎ 株式会社ヤエコフやえこふクリニック