毎朝の体操で健康は変わる:骨密度の維持と怪我を防ぐ運動法


12月13日

毎朝の体操がその日を決める

――骨密度は維持、筋肉は強化できる

骨密度は「増やす」のではなく“減少を抑える”

骨密度は30歳前後をピークに、徐々に減少していきます。
これは、骨形成に関わる働きが年齢とともに低下するために起こる“自然現象”です。

そのため、骨密度に関しては
「増やす」よりも「減少速度を抑える」ことが重要です。

従来は

  • 若いうちからの身体活動

  • カルシウム摂取

  • 禁煙
    といった生活習慣が推奨されてきました。

しかし、ピーク時期を過ぎてもできることはあります。

一方で筋肉は「年齢に関係なく増やせる」

筋肉の半減期は約3ヶ月。
適切なトレーニングを続ければ、
年齢を問わず筋肉は増強可能
というのは、科学的に確立された事実です。

再生能力は加齢とともに低下しますが、
筋肉を強化することによって身体の基盤を作り、健康寿命の延伸に直結します。

骨密度の減少を抑えるための具体策

① 保険診療で可能なアプローチ

  • 有酸素運動と筋力トレーニング

  • カルシウム補給(食事・サプリメント)

  • L-カルニチン:骨のターンオーバー抑制

  • ホルモン補充療法:骨形成促進

  • メドロキシプロゲステロン:周期的使用で骨密度増加

  • 骨密度測定:定期評価で治療効果を確認

② 生活の中でできるアプローチ(非保険)

複合運動が最も効果的
(有酸素 × レジスタンス × バランス運動)

レジスタンストレーニング
腰椎・大腿骨頸部・股関節の骨密度向上が確認されています。

有酸素運動
全股関節の骨密度維持・改善に有効。

若年女性 → エアロビクスやウエイト
高齢女性 → レジスタンスの方が効果大

太極拳・ヨガ・ピラティスなどのマインドボディ運動
腰椎・大腿骨頸部の骨密度を最も高めると言われています。
EKOフィジカルは特にこの領域に近い方法です。

低衝撃運動(ウォーキング等)
維持には有効だが大幅な向上は期待しにくい。

「怪我をしたくない」気持ちは正しい

ジムや体操教室での怪我は、整形外科で非常に多い相談です。

  • 運動初心者

  • 30〜50代で体性変化が出始める時期

  • 無理なフォーム

  • 合わない負荷

これらが重なると、
“障害(慢性的な痛み)”につながりやすくなります。

本来、医療現場で「正しい体操方法」を教えたくても、従来の診療体制では時間が確保できませんでした。
その課題を解決するために誕生したのが、当院のアプローチです。

「怪我」には 2 種類ある

外傷性の怪我(大きな衝撃)

  • 転倒

  • 重い負荷

  • スポーツ事故
    骨折や筋腱断裂につながり、手術が必要なことも。

特に骨密度の低い女性は、レジスタンス運動での怪我に注意が必要です。

障害(蓄積による痛み)

  • 腱鞘炎

  • 反復負荷による痛み

  • 慢性的な張り・違和感

しつこく長引くため、運動が嫌になる原因となります。

運動が続かないのには理由がある

  • 痛みが怖い

  • 体が重く感じる

  • 爽快感を得られない

「分かっているけど続かない」のは、みなさん共通の悩みです。

続くための工夫:「1日の快適さ」に紐づける

嫌々やる運動は続きません。
そこで重要なのが
“その日の快適さをつくる運動”に変えること。

EKOフィジカルでは
人が運動に合わせるのではなく
人に運動を合わせる

という原則を徹底します。

競技やプログラムに身体を合わせる方式では、怪我が増えやすいのです。

世界で日本人のプロ選手の引退年齢が早い理由も、これが一因と考えられます。

毎朝の体操が「その日を決める」理由

① 関節可動域が広がる

可動域が保たれると、筋肉は正しく収縮できます。
姿勢・筋力・バランスが整い、怪我の予防になります。

② マイオカインという“若返りホルモン”が出る

筋肉から分泌されるマイオカインは、

  • コラーゲン産生を高め美肌に

  • 内臓機能を整える

  • 骨形成促進

  • インスリン作用改善

  • 血圧を下げる
    など、多くの健康効果を持ちます。

美容は「健康の結果としてついてくるもの」。
当院が美容を前面に出さない理由もここにあります。

健康も美しさも、“毎朝の体操”という小さな習慣から始まります。
今日の身体は、今日のあなたがつくります。

Dr.EKO博士

医師・医学博士/産業医・PM&R研究医

整形外科専門医。スタンフォード大学研究医としてPM&R分野を研究後、現在は〈スラトレ®〉を中心に、ウェルネスと自己変容を支援するトレーニングおよびコンサルティングを提供中。上質な暮らしを望む方に向けた「YAEKOFU」では、人生を再設計する深い対話と伴走を行う。

▶︎ 株式会社ヤエコフやえこふクリニック