運動で怪我を防ぐ!「使いやすい筋肉」の偏りをなくすための正しい体の使い方
この記事のポイント:Dr.EKO博士(整形外科医・医学博士)が、健康のために始めたヨガやジムで怪我をしてしまう理由と、日常で意識したい「使うべき筋肉」についてお伝えします。
整形外科の現場では、健康増進を目的にヨガやジムを始めた中高年の方が、かえって手首や膝、腰を痛めて来院されるケースが少なくありません。背景には、日常動作で「使いやすい部位」に頼る習慣が積み重なり、関節や靭帯に負担が偏っていることがあります。
健康のはずが怪我に:現代医療のジレンマ
内科健診で中性脂肪やコレステロールを指摘され、急いでヨガやジムに通い始めた結果、運動が原因で痛みを引き起こし整形外科を受診する方が多くいらっしゃいます。健康増進のための運動が、逆に負傷をもたらすという現代医療のジレンマがここにあります。
「使いやすい筋肉」への依存メカニズム
日常動作に潜む偏り
混み合うスーパーで重いカゴを持ち上げるとき、本来は腹筋や肩関節といった大きな部位を使うべきですが、私たちは無意識に手首や前腕といった「使いやすい部位」に頼りがちです。歩く場面でも、足首や膝関節など小さな部位が優先され、股関節や腹筋の動きが省かれています。
痛めやすいのは小さな関節
負担が集中しやすいのは、手首や肘、足首、膝関節など小さな関節や靭帯、そして可動域の広い腰椎です。これらの部位に偏って負荷がかかり続けることで、腱鞘炎や関節痛が生じやすくなります。
唐突なヨガ・ジムで怪我が起こる理由
外見の真似と筋肉の不均衡
ヨガやジムのトレーニングでは、インストラクターのポーズを外見だけで真似ると、外見上は同じ姿勢に見えても、個々の参加者は無意識に自分にとって使いやすい筋肉を優先してしまいます。その結果、既存の偏りがそのまま強化されてしまうことがあります。
研究者の指摘
ヨガの研究者Ray Long氏は「ヨガの実践者は、自分の体の使い方の癖や筋肉の不均衡に気づかないまま、既存のパターンを強化してしまう可能性がある」と指摘しています。また、Man Flow Yogaの創始者Dean Pohlman氏は「ヨガだけを実践すると、体に不均衡が生じる可能性がある」と述べています。
解決策:正しい筋肉の使い方を意識する
指導と体への意識
熟練したインストラクターの指導を受け、外観よりも「このポーズは本来どの筋肉に効くべきか」を意識することが大切です。自分の体の動きや筋肉の使い方に目を向け、本来使うべき部位を使えるよう練習しましょう。
補完とバリエーション
ヨガで不足しがちな動きを補うエクササイズを別に取り入れ、全身をまんべんなく整えることが役立つとされます。同じポーズでも異なるアプローチを試み、偏りを防ぐ工夫を続けましょう。
意識して使いたい「殿筋群と腹筋群」
現代生活で休みがちな体幹
デスクワークや車移動が増えた現代では、殿筋群(お尻周り)と腹筋群(お腹周り)を使う機会が極端に減り、「休んでいる」状態が慢性化しがちです。意識して鍛えない限り、これらの筋肉は徐々に弱まり、筋骨格系全体の機能低下につながります。
年齢とともに訪れる変化
筋肉量は20代をピークに徐々に減少し、40〜50代から加速度的に低下するとされます。お尻が垂れる、ウエストラインがぼやける、お腹がぽっこりと出てくるといった変化は、殿筋群と腹筋群の機能が低下しているサインとも言われます。
指導者教育と開業制度の課題
日本の現行システムでは、理学療法士やトレーナー、柔道整復師などの資格は試験合格後すぐに取得でき、翌日から施術やサービス提供が可能になります。一定の研修期間が整備されていないため、経験の浅い指導者が体格や体力に合わないトレーニングを指導し、怪我に繋がるケースも少なくありません。施術での怪我についての詳細は「整体施術に関する注意点」の記事もご参照ください。
まとめ:基礎を整えてから次の一歩へ
まずは殿筋群と腹筋群を意識して使えるようになってから、次のトレーニングステップへ進むことが大切です。部位別に整えた後に全体を使うことが、体型の維持や怪我の予防につながります。EKOフィジカルでは、指導後すぐに現れる変化を手がかりに、一人ひとりに合わせた体操指導をお伝えしています。
※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
最終更新:2026年4月
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