筋肉から分泌されるホルモンを味方に付けるしかない — マイオカインの健康効果と活用法
この記事のポイント:Dr.EKO博士(整形外科医・医学博士)が、筋肉から分泌されるホルモン「マイオカイン」について、その作用と運動との関係を研究知見を交えながらお伝えします。
筋肉は単に身体を動かすだけの組織ではなく、全身の健康を支える「内分泌器官」としての役割を担っていることが近年明らかになってきました。本記事では、筋肉から分泌されるホルモン「マイオカイン」の働きについて整理します。
骨格筋から分泌されるマイオカインとは
骨格筋から分泌されるマイオカインは、肝臓、膵臓、骨、循環器など多様な臓器にシグナルを送ります(Pedersen BK, Febbraio MA. Muscles, exercise and obesity: skeletal muscle as a secretory organ. Nat Rev Endocrinol. 2012)。
血管新生が上方制御される正確なメカニズムは現在も研究されています。
マイオカインの作用機序
運動に応じて分泌されるホルモンであり、オートクリン(自己作用:筋肉ホルモンが筋肉に作用)、パラクリン(近隣細胞作用:筋肉から分泌されるホルモンが近くの細胞に作用)、内分泌(全身作用:全身に広がる作用)として働き、体全体の健康に有益な効果をもたらします。特に、筋肉は脳、脂肪組織、骨、肝臓、腸、膵臓、血管床、皮膚など、多くの臓器に良い影響を与えています。
マイオカインの主な働き
代謝・糖脂質への作用
- 体重調整:エネルギー代謝を調整し、肥満の予防に寄与します。
- インスリン感受性の向上:インスリン抵抗性を改善し、2型糖尿病の予防や治療に役立ちます。
- グルコースと脂質の代謝調整:糖尿病や中性脂肪の予防に効果的です。
脳・骨・筋肉・免疫への作用
- 認知機能改善:脳の健康を保護し、認知機能を向上させます。
- 骨密度低下の予防:骨代謝に影響を与え、骨密度の維持に寄与します。
- 筋肉の保護および強化:筋肉の機能を強化し、加齢に伴う筋萎縮(サルコペニア)を防ぎます。
- 免疫システムの向上:免疫機能の改善にも寄与します。
- 加齢に伴う筋萎縮(サルコペニア)の予防:筋肉量を維持し、加齢に伴う筋肉の衰えを防ぎます。
運動とマイオカインの関係
運動はマイオカインの分泌を促進し、筋肉だけでなく、脳、脂肪組織、骨、肝臓、血管などに良い影響を与えます。特に、マイオカインは抗炎症効果を持ち、心血管系や代謝、精神面の健康改善に寄与することが知られています。また、マイオカインはBDNF(脳由来神経栄養因子)の生成を促し、脳機能の改善にも関与する可能性が指摘されています。
総括:EKOフィジカルでの位置づけ
マイオカインは、運動を通じて身体のさまざまなシステムを調整し、特に抗炎症効果や代謝異常の改善に重要な役割を果たしています。そのため、運動を通じたマイオカインの活性化は、全身の健康促進に非常に効果的なアプローチとされています。EKOフィジカルで最も大切にしているアプローチの1つです。
まとめ:筋肉を味方につける
最近、様々な健康をテーマにした企業からこういった記事が発刊されていますので、よかったらご参照ください。ずいぶん噛み砕いてやさしく説明されていると思います。
参考文献
- Pedersen BK, Febbraio MA. Muscles, exercise and obesity: skeletal muscle as a secretory organ. Nat Rev Endocrinol. 2012 Apr 3; 8(8): 457-65.
- ファイテン「今注目の筋ホルモン『マイオカイン』について」
※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
最終更新:2026年4月
関連記事